music & clulture カマカと巡るアロハのある場所
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ウクレレファンにはおなじみの、中学生と小学生の兄弟ウクレレデュオ「KAZUKI & NAOTO」。ふたりはジェイク&ブルース・シマブクロ兄弟の再来か!? と期待されるほどの腕前だが、実は彼らの家族は一家そろってウクレレをこよなく愛するファミリー。普段どんなふうに家族でウクレレを楽しんでいるのか、また家族にとってウクレレはどんな存在なのかを知るべく、今井家を訪ねた。



「ウクレレが家族の話題の中心。
 ウクレレがない生活なんて考えられない」


 川崎市の大師公園の近くにある今井家を尋ねると、リビングにはウクレレの音楽が流れ、コナコーヒーの香りが漂っている。ソファーの上にはウクレレと、フラに使われる楽器もあり、いたるところにハワイを感じる家だ。子供部屋を覗くと、兄弟ふたりの勉強机のそばにはたくさんのウクレレが並んでいた。
 今井家からウクレレの音色が聴こえてこない日はない。その中心は息子の海月(カヅキ)と波音(ナオト)だが、パパもママもウクレレを弾き、息子二人が熱を入れるウクレレ練習を日々支えている。息子たちは学校から帰ると真っ先に学校の宿題を済ませ、ウクレレを手にし、YouTubeを見ながら練習を始める。休日は家族そろってウクレレを抱えて海に行き、ウクレレイベントやハワイアンイベントにもみんなで出かける。ウクレレを中心とした毎日を過ごしており、もはやウクレレは家族の一員(!?)のようだ。

2011年8月に開催された「ウクレレピクニック2011横浜」でのステージ。


hibiscusお昼はお弁当とウクレレ

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波音が1歳になる前の頃。弾き方はわからずともウクレレを弾きたがった。
 パパの洋介さんがはじめてウクレレに触れたのは、彼の父親がハワイアンブームの頃に買ったと思われる春日楽器の「メロウトーン」。小さい頃からピアノを習っていたため、音楽は常に身近にあり、青春時代はロックが好きでギターを弾いていた時期もあり、自宅に転がっていたウクレレにはたいして興味を持たなかった。ヨットマンだった父親の影響から海が好きでサーフィンやヨットに明け暮れていたという。ママの玲子さんはかつて音大生の親戚からクラシックピアノを習っており、リズム感と音感はそのときのスパルタ式のレッスンでに身についたそうだ。

パパ「僕たちは大の南国好きで、結婚後は少なくとも年に2回はハワイやフィジーなど南の島に行き、海で遊んでウクレレの生演奏を聴いていました。結婚して3年目の僕の誕生日に、妻がプレゼントしてくれたのがウクレレだったんです。最初はポロポロと爪弾いているだけでしたが、音を聴くだけでいつも幸せな気分になっていましたね。長男の海月が生まれて、しばらくすると海月も自然とウクレレを触り始めたので、一緒にウクレレで遊んでいました」

 2歳年下の次男・波音が生まれてからは、ママは自転車の前カゴにウクレレと手作りのお弁当を入れ、海月を自転車の後ろに乗せ、波音をおんぶして近所の大師公園に遊びに行くようになった。パパも仕事のお昼休みに合流し、家族そろってお弁当を食べ、ウクレレを弾いた。それは、波音が幼稚園に入ってからも毎日続けられたという。

ママ「海月は小さい頃すごく人見知りだったので、公園に行っても同じくらいの歳の子と遊ばなかったんです。いつも一緒にパパが弾くウクレレを聴いていました。海月の性格が私たちのスタイルを作ったのかもしれませんね」

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大師公園にお弁当とウクレレを持って毎日自転車で通っていた頃。
 もの心がつき、ウクレレを弾きたいとせがむ息子に、パパはジェイク・シマブクロがライヴのアンコールで必ず弾くことでも有名な「Crazy-G」を教えた。

パパ「ジェイクを知ってはじめてウクレレをちゃんと弾きたいと思ったんです。特にライヴで聴いた『Crazy-G』にヤラれて、当時はタブ譜などなかったから、耳コピーして弾いていました。最初は僕が率先して弾いて子どもたちに教えていたんですけど、あっという間に子どもたちに追い抜かれましたよ(笑)。子どもの吸収力はすごいですよね。息子たちのヒーローもジェイクで、以前は1曲をコピーするのに家族全員で1音ずつ拾いながら何日もかけてコピーしていたんです」

 子どもに音やアレンジの仕方を教えたりできるのは、両親ともに小さい頃から音楽に触れていたからだろう。ウクレレの腕前が追い抜かれた今も、子どもたちがウクレレを弾くうえで両親のアドバイスは不可欠だ。

海月「ジェイクはコード弾きじゃないから、CDを聴きながら同じ音を探して弾いていくんです。今でも弾いていてどうしても音が取れない時はお父さんに聞いたりお母さんは歌ってどの音なのか教えてくれたりします。」

 息子ふたりの将来の夢はジェイクと共演すること。そして大人になってもずっと一緒にウクレレを弾き続けること。

波音「僕たちは兄弟で弾いているから、いつも一緒に練習できるのがいいね。たまにはライヴでソロを弾きたいからひとりで弾く曲も練習してるけど、でも僕たちはふたりそろってはじめてひとつの曲なんだよ。息がピッタリ合うことが大事なんだ」

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パニオロ・ヤマウチ(山内久之)さんにウクレレの基本を教えてもらっていた頃。
 最近はオリジナルの曲も作り出したという海月と波音。これからはふたりで弾ける曲を作曲することが目標だ。そんなふたりが愛用しているウクレレはカマカのコンサートとテナー。ともにコンサートはローG、テナーはハイGにして使い分けている。それぞれが自分専用のウクレレをお小遣いをためて買っているという。ママがフラのコンペティションに出場した際には波音がおじいちゃんから誕生日プレゼントにもらったという8弦のカマカで伴奏した。波音は現在はパパのカマカ・テナーを借りて使っているが、身体も大きくなってきたので、そろそろ自分用のテナーを購入予定だ。そのほかママがパパへプレゼントした今井家のファースト・ウクレレであるフェイマスFU-120やコアロハ、Gストリング、ジェイクがプロデュースしたタカミネのMIGM-S1(コンテストで獲得した賞品)、お父さんが組み上げたウクレレキットなど、今井家に並ぶウクレレは十数本。

海月「やっぱりカマカが一番弾きやすいんです。今年自分用のテナーをハワイ島のヒロで買ったんですけど、深い音がいいですね。でもずっと弾き続けているコンサートの音も愛着があって好きだから、どっちがいいとは言えないなぁ」


フェイマスのウクレレを家族みんなで長く弾いてきたが、2005年にハワイへ家族旅行に行った際に購入したパパのカマカ・テナーと海月のカマカ・コンサート、ママのGストリング・ソプラノ。その後はどんどん本数が増えていくことになる。


hibiscus家族の強い絆

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ビーチでウクレレを弾く海月。海では人目を気にせずパフォーマンスの練習をした。

 息子ふたりがともに小学生の頃までは週末はいつも海へ出かけ、パパはサーフィン、子どもたちはビーチで思い切り遊び、ときどきウクレレを弾き、ママはひたすらフラを練習していた。真夏の暑いときも冬の寒い時も、家族はいつも一緒だ。

ママ「台風が近づくとパパはひとりでサーフィンに行くけれど、午前10時までには帰ってくるという約束(笑)。やっぱり家族はいつも一緒にいないとね」

 いっぽう子どもたちふたりは学校の勉強、ウクレレの練習、英語のレッスンに剣道と、やることがいっぱいで、小・中学生ながら時間が足りないそうだ。

パパ「英語もウクレレも毎日コツコツと続けることが大事。でも、まずは学校の勉強が最優先。その優先順位を守れなくなるなら、ウクレレはお休みすると約束しています。ウクレレも学校の勉強も大事だと思うから、どうやったら両立できるか自分たちで考えて行動するんでしょうね」

ママ「子どもたちがウクレレを弾くことを私は強制していません。やりたくないならやらなくていい。大好きだから続けられるんだと思う。それぞれ興味がほかに移ったら、どんどん新しいことをやっていってほしいと思います」

 そう言いながらも、子どもたちがウクレレを一生懸命練習する姿は両親にとって日々の糧となっている。ウクレレを弾く映像や写真を撮影しながら、昔の映像を見ると子どもの成長がわかって嬉しいという。この日も息子たちがはじめてステージに立ったときの映像を見せてもらった。4年前のまだあどけないふたりのプレイやMCがとても可愛い。

海月と波音のファーストステージは2007年の江の島秋祭り。ふたりが小学4年生&1年生の頃だ。「Crazy G」や「While My Guitar Gently Weeps」もすでに弾いていた。


 最後に家族にとってウクレレとはどんな存在なのか聞いてみた。

パパ「ウクレレをポロンと鳴らすと、家族みんなが笑顔になるよね。でもいまだに息子たちのステージを観るときは緊張して笑えないですけど(笑)」

ママ「ウクレレを通してたくさんの人々に親切にしてもらって、いろんなことをシェアしてもらいました。貴重な体験がたくさんできているから、子どもたちにもそれを生涯忘れないでいてほしいです」

波音「うちの家族はいつもウクレレの話が始まると止まらないよね!」

海月「ウクレレがない生活なんて考えられない。ウクレレで知り合った人たちからもらったやさしい気持ちを、今度は自分たちが発信してみんなと分かち合っていきたいです」



ファースト・ウクレレのフェイマスと、たくさんのことを教えてくれたハワイアン・ソング・ブック『He Mele Aloha』、はじめて買ったジェイクのアルバム『Sky Line』。


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