music & clulture カマカと巡るアロハのある場所
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以前アロハスタイルで紹介したハワイアンカルチャー文筆家・吉見大介さん。彼がハワイで最も好きな場所はマノアだといいます。マノアは数々のハワイアンソングでも謳われる美しい場所。いったいどんなところなのか、吉見さんにナビゲートしていただきました。最後にマノアを謳った曲の紹介もあるので、ぜひ聴いてみてください。


「雨ってすごくいいもんだって知った場所」

 ワイキキから海を背にして立つと見えるコオラウ山脈の山並み。そのふもとがマノアで、ユニバーシティ通りを山の方へ進むと辿り着く。車で15分ほどの距離なのに、ワイキキとは空気が違い、濃い緑に囲まれて落ち着いた雰囲気が街に漂っている。

 マノアへのもう一つの入り口、プナホウ・ストリートにはあのオバマ大統領が卒業したプナホウ・ハイスクールもある。このあたりは昔は王族の住むエリアだったため、ヨーロッパの香りのする家が並び、歴史的に貴重な“ヒストリカル・ハウス”も数多く建っている。ハワイカイと並ぶ人気の住宅地だ。

マノアのスタバは外壁を森の緑に合わせたきれいなグリーン。

 6年前にマノアに移り住んだ吉見さん。以来朝は鳥のさえずりで目を覚まし、自然の中をウォーキングするという習慣が身についたという。自然の美しさを全身で感じながら、自然と共存していく暮らしは、なんとも羨ましい。今回は普段よく行くというマノアの森を案内してもらった。



マノアの滝へ向かうトレッキングコースの入り口。横には植物園があり、ハワイの珍しい植物を見ることができる。


森の中にはあちこちに巨大なバニヤン・ツリーが。

森の中は静かでひんやりした空気が気持ちいい。マイナス・イオンが溢れている感じ。


いつも1、2時間山の中を歩くとエネルギーが身体に取り込まれ、来た時よりも格段に元気になっているという。

 マノアは美しい雨と虹で知られる場所。ハワイの人々はマノアに降る雨を「カ・ウア・トゥアヒネ」と呼ぶのだそうだ。その由来を吉見さんが教えてくれた。


 マノアに住むと言われる虹の女神「カハラオプナ」の神話。

 昔々、マノア渓谷に美しいプリンセスがいた。彼女の名前はカハラオプナ。マノアの風の神の父と雨の神の母を両親として生まれたカハラオプナは美しい虹の乙女。マノアの地に雨が降るときはいつも、彼女は太陽の光や月の光の中で楽しく遊んだものだった。美しい彼女が現れると、その空にはいつも虹がかかったという。

 彼女のいいなずけであるカイルアのプリンス、カウヒはある日、カハラオプナの悪い噂を耳にする。それは美女カハラオプナをものにしたという、町の与太男による根も葉もないでまかせだった。しかし嫉妬に狂ったカウヒは彼女を殴り殺し、山奥に埋めてしまう。

 しかし彼女には白いふくろうの守護神プエオがついており、プエオは瞬く間に彼女を掘り起こして蘇生させた。カウヒはそれを知ってさらに腹を立てまた彼女を殺し、そしてまたプエオが蘇生させるということが何度も繰り返された。

 結果的にカハラオプナは命をなくし、マノアの空にかかる虹となり、カウヒは二度と過ちを犯さないよう、丘に姿を変えられ、永遠に美しい虹を見上げることになった。

 マノアに降る霧雨のカーテンのような優しい雨、カ・ウア・トゥアヒネは、虹の女神の母、トゥアヒネの涙だと伝えられている。

 雨にいくつもの呼び名があるハワイ。降る場所によっても名前が違うなんて、なんだかロマンチック。




 吉見さんはマノアの魅力をこう語る。
「マノアの一番の魅力は雨上がりの景色。山の麓だからよく雨が降るんだけど、街の草木に露がついて景色が輝いて見えるし、空には大きな虹が架かる。この虹の美しさからマノアは“虹の谷”と呼ばれるんだよ」


バナナの花にとまっているのはミツスイ。ここではたくさんの鳥に会うことができる。






吉見大介セレクト
マノアを謳った名曲たち


1
(輸入盤)
01 
『Manoa in the Rain』
HAPA
収録アルバム:『Collection』


「ニュージャージー出身のギタリスト、バリー・フラナガンとハワイ生まれのヴォーカリスト、ケリィ・カネアリィのデュオ。90年代に登場したコンテンポラリー・ハワイアンを代表する人気バンド。これは雨が降るマノアでの恋を歌った曲。マノアで親しくなった恋人に捧げた曲で、メロディが超ロマンチック! ちなみにギターのバリーは奥さんとマノアに住んでいるよ」
   
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(輸入盤)
02
『Lei Manoa』
HAPA
収録アルバム:『Maui』


「HAPAは一旦解散し、2003年にケリィに代わるヴォーカルとしてハワイの人気シンガーでありベーシストでもあるネイザン・アヴェアウが加わって新生HAPAがスタート。バリーによる群を抜いたギターテクニックと、透き通ったファルセット・ヴォイスのネイザンによる新コンビで2005年に「MAUI」を発表。この曲はギタリストのバリーが奥さんにプロポーズとして捧げた曲。ハワイ語のロマンチックなスローバラードで、マノアの自然の美しさを讃えているんだ」
   
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(輸入盤)
03
Lei ana 'o Manoa i ka nani o na pua
Aaron J. Sala
収録アルバム:『Ka'upu Aloha』


「クムフラ、フランク・ヒューエットが作詞・作曲したこの歌は、虹の女神カハラオプナの話を通してマノアの美しさを歌っている。この曲はアーロン・J・サラのピアノの弾き語り。彼は比較的新しいハワイアン・ミュージシャンで、クラシックのバックグラウンドがあるからどんな曲も弾きこなす人」
   
1
(輸入盤)
04
『No Place Like Home』
Manoa DNA
収録アルバム『No Place Like Home』


「マノアはミュージシャンなどアーティストたちが多く住んでいるエリア。アイランド・ポップスの代表的バンドであるマノアDNAもマノアに住むファミリーで、この曲はマノアのことを歌っているんだ。このアルバムは60〜70年代のサーフ・ミュージックの代表格であるカラパナやセシル&カポノ、ジェイムス・テイラーなどのカバーも入っているアルバム」
   
1
(輸入盤)
05
『Nani Manoa』
Ku'uipo Kumukahi
収録アルバム:『Ho'ulu'ulu 'Ekahi』


「これはスタンダードなフラ・ソング。典型的なミディアム・テンポのフラのメロディで、マノアの雨や自然のことを歌っている曲。クウイポ・クムカヒはハワイアン・フラ・ミュージック・シンガーの第一人者。声に深い魅力があって、その声は”Voice of Tear”と呼ばれているんだ」



Profile

吉見大介 Daisuke Yoshimi
横須賀出身。1991年12月にハワイへ移住し、ハワイ在住歴17年。ハワイ州立大学マノア校コミュニケーション学科を卒業し、現在マノアに在住。雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで、フラやハワイアンミュージックなどハワイの文化と自然の魅力について発信している。

ハワイ・タイム http://nuidaisuke.exblog.jp/
フラナビ★ブログ http://daisuke.blog.mo-hawaii.com/

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