jake ジェイク・シマブクロ ソロデビュー10周年記念特集
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生で聴くジェイクの演奏が待ちきれないウクレレプレイヤーの3人。
 熊本県立劇場の演劇ホールではジェイクがリハーサル中。来日して以来、ツアーやふれあいの旅だけでなく、レコーディング、ラジオやテレビの収録、雑誌の取材など超多忙なスケジュールをこなし、さすがに疲れもたまっているでしょう。前日の移動日にはマッサージを受けたそうですが、「ダイジョブ? 元気?」と相変わらず相手を気遣うやさしい言葉をかけてくれます。

 この日の「Midori」のゲスト・プレイヤーは熊本でウクレレの先生やラジオのパーソナリティをしているボンボ藤井さん。13年前に腕を複雑骨折し、リハビリとしてウクレレを始めたそうですが、ウクレレの音色があまりに心地いいのでライヴ活動をスタートし、現在は熊本の楽器店を中心に11ヶ所でウクレレを教えているそうです。この日はたくさんの生徒たちがジェイクとボンボさんの共演を見にくるそうです。


「Midori」のゲスト・プレイヤー、ボンボ藤井さん。
ボンボ「ウクレレって、みんなが笑顔になるすごい楽器ですよね。ジェイクの音楽は日本デビュー後まもなくからずっと聴いていますが、ダイナミックレンジがオーケストラに近い。小さい音から割れんばかりの大きな音まで、とてもウクレレ1本とは思えない演奏力なんです。それに人気者になってもまったく変わらない人柄も素晴らしいですよね。今日はジェイクと共演できるなんて、夢みたいで興奮しています」



ボランティア物販スタッフの谷口さん(左)と、松浦さん(右)。ともにウクレレプレイヤーです。
 ボランティア物販スタッフの女性二人もボンボさんの生徒だそうで、そのうちの一人、松浦淳さんはボランティアで介護施設を訪問する際、ウクレレバンドで演奏しているそうです。「ウクレレは間口が広くて奥が深い楽器ですよね。お年寄りにも人気が高いんですよ」と話してくれました。

 ステージが始まり、満面の笑みでジェイクが登場。リハではお疲れ気味でしたが、演奏のキレはよく、曲を追うごとに、どんどん凄味が増していくそのプレイ。MCで「ボク、今日はとっても元気デス」と言う場面もありました。さすがはジェイク、ステージに立ち演奏を始めるとアドレナリンが放出され、パワーがみなぎり、あっという間に元気になるのでしょう。そんなところが真のミュージシャンであり、真の表現者なんですね。

「今日のサウンドチェックではセッションしてあたたかな気持ちになった」と言って始まった「Midori」。さすがはミュージシャン兼ウクレレの先生だけあるボンボさんはアドリブもなめらかに、ジェイクと息の合った爽快なプレイを聴かせてくれます。


男性はボンボさんのウクレレレッスンの生徒さん。
 平和セクションの「Go For Broke」「Hallelujah」を経て、ライヴで人気の高い「While My Guitar Gently Weeps」へ。この曲でジェイクが奏でるイントロは毎回異なり、それを聴くのも大きな楽しみのひとつです。この日は和風の響きが感じられ、ウクレレがまるで琴のように感じられました。

 この日のライヴを通して感じたのは、ジェイクのプロとしての底力。一人でステージに立つということは、ペースを一人で作り上げ、観客を盛り上げていかなければなりません。カバーしてくれる人もいなければ、音にごまかしはききません。アレンジが最も難しかったという「Bohemian Rhapsody」を弾き終えた後のガッツポーズに、ジェイクが背負うものの大きさを感じました。どんなときも私たちを音楽で幸せにしてくれる彼のパワーと、その裏にある努力には並々ならぬものがあるのです。
 

息子さんとやってきた女性。「私が子供の頃はハワイアンブームで、よくウクレレを聴いていました」。

ゆかたに手作りうちわ持参のお二人はボンボさんの生徒。

終演後、記念の一枚。

番外編・ウクレレに導かれる旅の出会い


お店のご主人と、ジェイクが大好きな中野さん。九州の有名焼酎が揃っているお店です。
 ライヴの取材が終わり、郷土料理を食べながらお酒を飲もうと、一人で熊本城近くの居酒屋に入りました。すると着物を着たきれいな店員のお姉さんが私の持っていたウクレレケースに目をとめ、「あら、これウクレレですか?」と話しかけてきました。
「そうなんですよ、今日は県立劇場で海外アーティストのライヴがあったんです」
「もしかして……ジェイク?」
 彼女はジェイクの大ファンで、この日もライヴに行きたかったのですが、どうしてもお店を休むわけにいかず、泣く泣く諦めたとのことでした。

「ジェイクのウクレレはいつも私を豊かな気持ちにさせてくれる音なんです」
と、さっそくアルバム『一期一会』をかけ、ジェイクの音楽の素晴らしさを語りながら、美味しい馬刺しや辛子蓮根など自慢の郷土料理を出してくれます。偶然にも店内で流れていたTV番組では某女性タレントがハワイへ行き、ロイ・サクマさんからウクレレを習っています。なんだか不思議な、とても楽しいひとときでした。

Shop Data
海鮮料理 海王丸
熊本市新市街3番4号 田園ビル2F
TEL 096-356-1226
営業時間 平日17:30~3:00/日・祝17:30~0:00
年中無休(年末年始を除く)

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