jake ジェイク・シマブクロ ソロデビュー10周年記念特集
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 東京オーチャードホール二日目は、このツアーで唯一の5人編成のライヴです。メンバーは、ノール・オキモト(ds)、ディーン・タバ(b)、マイケル・グランデ(key)、イギー・ジャン(violin)。すばらしいミュージシャンたちがハワイから日本に集まりました。

 真っ赤なシートが鮮やかな、誰もいないオーチャードホールにノールのカウントがこだまします。胸を突くような躍動感あふれるリズムセッションがリハーサルを見守るスタッフたちの心を高揚させていきます。前日のソロとは全く違う、ミュージシャンとしてのジェイクのもうひとつの顔がこのバンドの中にあります。交差する5人の音の響き、そして重なりあうビートのうねりを細かくチェックしていくジェイク。着々と手際よくリハーサルが進みます。いつものやさしい笑顔のジェイクはそこにはいません。全身で音楽を感じ、音と対話し続け、妥協を許さないジェイク。高い完成度を求める彼の音楽へのこだわりは、バンドサウンドの中でさらに磨かれ、深みを増していきます。


ノール(ds)

ディーン(b)

マイケル(key)

イギー(violin)


リハーサルの最後には円陣を組み全員で打ち合わせ。気合を入れます。

 リハーサル終了後、バンドメンバーにジェイクの音楽について尋ねてみました。

ノール「彼の演奏能力の高さとやさしい人柄、そしてクオリティの高い楽曲のすべてが好きだよ」
ディーン「ジェイクとのセッションは特別。音と心が一つになるんだ」
マイケル「彼の音楽のメロディの美しさ、そしてウクレレ1本でどんなアプローチにも対応できる能力の高さに常に驚いているよ」
イギー「これまで師と仰いだ誰よりも自分に影響を与えたミュージシャン。彼のステージではあまりにも心に響くことが多くて、演奏しながら涙がこみ上げてくることが多いんだ」

 ステージの幕が開き、多くの歓声に包まれると、いつものにこやかなジェイクの笑顔が4人の仲間とともに輝きだしました。


 ときに竜が暴れるように激しく、ときに鳥の羽が舞い降りるようにやさしく――。

この日は中盤に「Dragon」が飛びだしました。ヴァイオリンの流れるようなサウンドが絡まり、ダイナミックかつドラマティック。4人の演奏は、ジェイクが爪弾くすべての旋律の一音一音を埋もれさせることなく、常に際立たせていきます。
 筋肉に血管が浮き出る腕を上げ、歯を食いしばり、走り、飛び、叫ぶジェイク。大きく深呼吸をして「気持ちイイ~」と笑うジェイク。音楽に包まれ、音に溶け込んでいく5人のミュージシャン。彼らの興奮が観客を熱くし、観客の熱がまた5人を高めていく、最高のライヴでした。


 

この日のボランティア物販スタッフたち。
会場で出会った観客のみなさん。


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