ディズニーの曲をウクレレでカヴァー

――ニューアルバム『ウクレレ・ディズニー』の最大の聞きどころはどこでしょう？
「僕の一番好きなディズニー映画は『リトル・マーメイド』なので、レコーディングするにあたって最もわくわくしたのは、この映画のサウンドトラック『パート・オブ・ユア・ワールド』、『アンダー・ザ・シー』、『キス・ザ・ガール』の3曲。そのなかでも一番好きな曲が『パート・オブ・ユア・ワールド』です。僕が最初に手に入れたカマカのテナーウクレレは、この映画のヒロインの名前をとって“アリエル”と名付けるほど好きな映画なんです」

――アリエルって、平和な海の王国を治める王の娘で、美しい容姿と美しい歌声のプリンセスですよね。人間になれる魔法とひきかえに、魔女に自分の美しい声を渡してしまうという、ちょっと切ないストーリーを持つ美女。ではその他の選曲のポイントは？
「ディズニーソングは大好きなので、カバーしたい曲がたくさんありました。それを全部入れたら3枚のディスクセットになったと思います。でも曲数が限られているので14曲に選んだわけですが、好きな曲トップ3は『パート・オブ・ユア・ワールド』、『いつでも一緒』（オリバー　ニューヨーク子猫ものがたり）、『星に願いを』（ピノキオ）です」

――アルバムの最後の曲「星に願いを」をレコーディングするにあたって、ウクレレでどうアレンジしたんですか？ また弾く際に気をつけたことはありますか？
「この曲はアレンジするのが難しい曲なんです。それに事前にディズニーの担当者と話したとき、あまりラウンジミュージックのようなスタイルにはしないでほしいとリクエストされたんです。僕はそれまでこの曲をラウンジスタイルで弾いてきたので、あたらしくアレンジし直すのはちょっと大変でした。新しいアプローチが完璧に浮かんでくるまでは、ちょっと時間がかかるんです。ゼロから音楽を作るよりも、これまで自分が弾いてきたイメージを壊して新しいものを作るほうが難しいんですよ。『星に願いを』のレコーディングで一番難しかった部分は一音一音の間を長くとって、そこに感情を込めることですね。それまでの曲のイメージから完全に自由になって、しかも感情を込めて気持ちよく弾けるようになるまで、しばらくかかりました」

――フリーマガジン『ウクレレ時間』の今回の特集は「ウクレレとめぐる星空ハイキング」なのですが、星空の下で「星に願いを」を弾きたいと思っているファンに、どう弾けばいいのかアドバイスをください。
「どんな曲でもそうですが、一番重要なことはリラックスして弾くのを楽しむことです。こんな曲だからこう弾くべきだとか、そういうことはないんです。どんな曲であろうと一緒で、その瞬間、曲を奏でることに集中して、自分が曲の一部になればいいと思います」

――ではジェイクさんがハワイの星空の下でウクレレを弾くなら、どんな曲を弾きたいですか？　
「僕が一番好きなハワイのトラディショナル・ソング『アカカ・フォールズ』です。これはハワイ島にある滝の名前なんですが、深い緑が美しくて、本当に気持ちのいい場所です。曲もその気持ちよさをよく表わしている美しい曲です。アメリカで10月にリリースする予定のニューアルバムでレコーディングしたので、楽しみにしていてください。もし星空の下で音楽を聴く機会があれば、この曲を聴いてもらえたら嬉しいですね」

――『ウクレレ・ディズニー』で弾いたウクレレはなんだったんですか？　
「僕が“バフィー2”と名付けてここ数年メインで弾いているカマカのテナーウクレレです。ケイシー・カマカに新しく作ってもらった“バフィー3”（同じくカマカのテナーウクレレ）の音も素晴らしくて大好きなんですけど、このバフィー2はすべてを知り尽くしていて、どこでいい音を出せるかなどを全部把握しているんです。新しい楽器との関係を築くのには時間がかかるので、バフィー3はゆっくりと弾き込んで関係を築いている途中なんです。そのうちバフィー3も活躍すると思うので、待っていてください」

――9月には毎年恒例のジャパン・ツアー、12月には日本でのクリスマス・ライヴがありますね。
「ジャパン・ツアーはすごく楽しみなんです。演奏するうえでも最も大好きな国だし、これまで何年にも渡って日本を訪れてきましたが、本当にたくさんの素敵な人々に会うことができました。だからいつも日本に戻って、そのたびにみんなと会うのがすごく嬉しいんです。12月はどんなライヴになるのか、当日まで楽しみにしていてほしいですけど、クリスマス・ソングは必ずやります。僕はクリスマスが大好きなので、日本のみんなと一緒にクリスマスを祝うことができるのが今からすごく楽しみです」

（AVCW-12892）￥3,000（税込）	『Ukulele Disney』Jake Shimabukuro ディズニーの名曲をジェイクがカヴァー。耳に慣れ親しんだおなじみの曲に、オリジナルのウクレレ・アレンジを施し、やさしくゆったりと、元気にはつらつと、そして、時には超絶技巧を交えてエネルギッシュに、と多彩なプレイを披露。地元ハワイでのレコーディングは終始リラックス・ムードの中で行なわれ、そのムードは本作にも反映されている。CDジャケットには本作品のために描き下ろされた可愛いミッキーマウスが登場。 オンラインショップへ
【収録曲】　 1.チム・チム・チェリー ［メリーポピンズ］　2.ミッキーマウス・マーチ ［ミッキーマウス・クラブ］　3.カラー・オブ・ザ・ウィンド ［ポカホンタス］4.くまのプーさん ［プーさんとはちみつ］　5.スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス ［メリーポピンズ］　6.キス・ザ・ガール ［リトル・マーメイド］　7.パート・オブ・ユア・ワールド ［リトル・マーメイド］　8.アンダー・ザ・シー ［リトル・マーメイド］　9.いつでも一緒 ［オリバーニューヨーク子猫ものがたり］　10.アロハ・エ・コモ・マイ ［リロ アンド スティッチ　ザ･シリーズ］　11.小さな世界 ［ニューヨーク・ワールドフェア］12.美女と野獣 ［美女と野獣］　13.彼こそが海賊 ［パイレーツ・オブ・カリビアン／呪われた海賊たち］　14.星に願いを ［ピノキオ］

JAKE SHIMABUKURO Japan Tour 2012

協賛：黒澤楽器店　KAMAKA UKULELE

→詳しくはジェイク・シマブクロ　ジャパン・オフィシャル・サイト【J KLUB】をご覧ください。