ハワイに着いて車に乗ったら、まずはFMラジオをオン。ラジオから流れてくる音楽とDJの楽しげなトークを聴くと、「ハワイだなぁ」と感じて、フライトの疲れもどこへやら。元気がみなぎって、ウキウキとした気分に。H1フリーウェイからワイキキへ向かう道すがら、テンションがどんどん上がっていくのを感じます。そんなわけで、今回はホノルルのFMラジオ局KINEに、人気DJビリー・Vを訪ねました。



「ラジオの向こうには、いつも生身のリスナーがいる」

　ハワイアンライフとラジオは切り離せません。ハワイにはいくつかのラジオグループがあり、各グループが数局のステーションを持ち、トータルで約20のFMステーションがあります。日本に比べ、ミュージックシーンでより大きな影響力を持つハワイのラジオ。ロコたちはみんなラジオが大好きなんです。いつの時代も人気のステーションがあって、スターDJがいます。

　そんなわけで、今回はホノルルのFMラジオ局KINEに、人気DJビリー・Vを訪ねました。1990年、ハワイ初のローカルミュージック専門FM局KCCN（FM100.3）が開局し、それを機にハワイアン・ミュージックシーンは活気を取り戻しました。その当時のKCCNの顔としてハワイアン・ミュージックの普及に貢献した伝説のDJがビリー・V。2006年、よりトラディショナルなハワイアン・ミュージックをかける姉妹ステーションKINEへ移り、以来月曜～土曜5：00～10：00のモーニング・ショーを担当（http://hawaiian105.comにてストリーミング可能）。フラ・ファンやハワイアン・ミュージック・ファンは必聴の番組なのです。

　KINEのステーションに入ると、テレビカメラも設置されています。ラジオの生放送中、KGMB9のテレビ番組でもエンターテイメント情報をレポートしているとのこと。ラジオはハワイアン・ミュージックのほか、その日の出来事やコンサート・レポート、リスナー・プレゼントなどもあります。

「DJになろうと思ったのは小学6年生のとき。カマサミ・コングというDJがやっている番組の大ファンで、毎日ラジオの前に座って聴いていたんだ。高校を卒業してハワイ島コナのローカルステーションからスタートし、もう25年間もラジオDJをやっているね。KCCNで始めた当時はローカルミュージック専門の番組はなかったんだ。でも僕らは絶対にウケると思ってやったら、やっぱり大人気になったんだ。このHawaiian 105 KINEはスタートして3年。よりトラディショナルなハワイアン・ミュージックをたっぷりかけられるので嬉しいよ。今のアメリカのラジオは音楽担当部署がリスナーからのリクエストを集計して選曲し、コンピューターにプログラムしているので、DJの自由がなくなったとも言えるけど、でもラジオの向こうには生身のリスナーがいるということは今も昔も変わらないよ」。

　母親がミュージシャンだったため1960年代のハワイアンブームの頃、アメリカ西海岸とハワイを行き来していたというビリー。ウクレレ・プレイヤーでもある彼にウクレレ・ミュージックについて尋ねてみました。
「ハワイアン・ミュージックにウクレレは欠かせない。でも最近はジェイク・シマブクロのようにハワイアン・ミュージックだけでなく、いろんな音楽にウクレレは使われるようになったね。これからもウクレレの可能性はどんどん広がっていくと思う」。

　奥様が日本人で、東京、名古屋、大阪、兵庫にハラウを持つフラの先生だけあって、ビリーは日本が大好き。小学生の息子さんと一緒に毎年北海道へスキーに出かけるそう。
「スキーは大好き！　ラジオの仕事が忙しくてほとんど休みはないんだけど、年に1度、1週間程度の休みが取れるんだ。そのときはまっさきにスキー場へ行くんだ。えっ？　最初に覚えた日本語？　う～ん、『かしこまりました』『申し訳ありません』『……の言う通りです』だね」。

トップページに戻る