情熱を持つこと、社会に貢献すること
老人ホーム清雅苑での演奏。真剣に見つめる人、歌を口ずさむ人、ニコニコと身体を揺らす人、反応はさまざまに、みなジェイクの音楽を楽しんでいた。 |
暑い日差しが照りつける8月末、東京清瀬市にある特別養護老人ホーム清雅苑ではやさしいウクレレの音色とおじいちゃんおばあちゃんの歌声がこだましていた。
ジェイクが日本各地の施設を訪問してライヴを行う「ふれあいの旅プロジェクト」では“Music is Good Medicine”というコンセプトのもと、万国共通のコミュニケーションツールである音楽を通じて人々とふれあい、社会貢献することを目指している。ジェイクとのふれあいを通じ、特に子供たちに情熱を持つことの素晴らしさを少しでも伝えていきたいという。ジェイクの情熱の源は、言うまでもなくウクレレであり、音楽。4歳でウクレレを手にしたジェイクは、子供の頃からウクレレに助けられたことや力づけられたことが数え切れないほどあるという。だから子供たちにも同じように、夢中になれることや情熱を持って取り組めることを見つけてほしい、と願っているのだ。2008年からツアーやプロモーションの合間をぬって訪問した場所は全15か所に及ぶ。
カレンの5人の女の子たちと演奏。 |
この日は日本の曲を中心に、誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々が演奏された。「見上げてごらん夜の星を」ではジェイクの演奏にお年寄りたちの鼻歌が交ざり始め、「さくらさくら」ではみんなが一緒に口ずさむ。琴のような音を出すアレンジのウクレレにワァと感嘆の声が上がる。フラメンコギターのようなウクレレには手拍子で盛り上がり、「Ichigo Ichie」は静かにかみしめるように聴き入る。誰もが音楽に集中していた。
この日は特別ゲストとして、フジテレビKIDSの番組『We Can☆』から、ジェイクがコレボレーションをした「カレン」が登場し、5人の少女たちがジェイクとともにウクレレを演奏した。まるで孫を見るようにあたたかなまなざしで見つめるお年寄りたち。
音楽を聴く彼らの目の輝きや歌声に、傍らで見ていた私たちも感動をもらい、音楽の力をまた実感した。国籍も歳もなにもかもが違う人間同士が音楽でつながる時間だった。
宮崎県立みやざき中央支援学校での演奏。ジェイクの表情は真剣そのもの。生徒たちも全身で反応し、互いに音楽を分かち合う。
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今回のツアーの合間をぬって、ジェイクは3つの施設を訪問した。徳島市と清瀬市の老人ホーム、そしてエッセイに書いた宮崎市の支援学校だ。それぞれの施設で見た一人ひとりの表情と、その表情を確かめるようにウクレレを奏でるジェイクの姿は忘れられない。その現場を目の当たりにするとどうしても涙がこぼれてしまう。なんて素晴らしい大きなことをやっているんだろうと思うが、ジェイクはそれを当たり前に続けている。
学校の先生たちと。「素晴らしい生演奏を体験でき、きっと生徒たちはこれからもっと音楽が好きになると思います」と語った校長先生(ジェイクの左隣)。 |
そしてこの活動がジェイクのファンにも影響を及ぼしている。各地のライヴ会場で出会った人々の中には臨床心理士、小児科医、介護施設のスタッフ、学校の先生などがいて、彼らは職場でウクレレを治療や授業に取り入れているという。2009年にジェイクが訪れた新潟の小学校では子供たちがウクレレを手作りし、そのウクレレで音楽を演奏し、さらに子供たちが老人ホームを慰問して演奏を聴かせるという課外活動が行われた。
ウクレレの音は心に響き、音楽を通して人と人のあたたかなコミュニケーションが各地で生まれているのだ。ジェイクという一人の人間が台風の目となり、全国に大きなあたたかい波を起こしている。
MIGMウクレレ |
MUSIC IS GOOD MEDICINEとは
チャリティ・プログラム「MUSIC IS GOOD MEDICINE (通称MIGM)」では音楽を通じて、情熱を持って生きることの大切さ、健康的な生活を送ることの重要性、心を癒すミュージック・パワーの多様性を啓蒙し、人々の生活レベルを高めていくことを目指している。ジェイクは地元ハワイのみならずアメリカ本土や日本の施設を訪れてウクレレの演奏を行なっているが、「ふれあいの旅プロジェクト」とは、MIGM活動の一環として、ジェイクが日本国内で行なっている訪問活動のこと。訪れた施設では、みなさんとともに授業や課外活動に参加し、ジェイクからはウクレレ演奏をプレゼント。「ふれあいの旅プロジェクト」に参加を希望する方は、下記のウェブサイト内「訪問先の自薦/他薦フォーム」からお申し込みを!
http://www.musicisgoodmedicine.jp/ |
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