jake ジェイク・シマブクロ ソロデビュー10周年記念特集
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「今日はなんと1列目!」と大興奮のご夫婦。旦那さんはジェイクと同じカマカのテナーウクレレを上手く弾けるよう、身体を鍛えているそうです。
 埼玉、宮城、愛知でのライヴを経て、九州にやってきたジェイク。ツアーはいよいよ大詰め、長崎からフィナーレの宮崎まで、九州4公演のスタートです。

 客席の照明が消え、「143(Kelly’s Song)」のイントロが流れ始めます。今回のツアーのオープニングはこの曲。この軽やかなイントロを聴くと、「いよいよ始まるぞ!」とテンションが上がってきます。143というのはポケベル等で使うニューメリックコードでI LOVE YOUの意味で、それぞれの文字数を表わしています。文章の最後に143と書いて送るそうで、ジェイクも送ったりするのでしょう……。想像するとちょっと照れちゃいますが、とても軽やかなウクレレの音色とメロディに心温まる、オープニングにピッタリな曲です。
 そして続くは「Boy Meets Girl」。ジェイクの数ある楽曲の中で、最もポップでカラフルなラヴソング。満面の笑みでウクレレを弾くジェイクから、楽しくてしようがないというオーラが溢れています。
 その後は「Bring Your Adz」で一気にウクレレ・ロックンロールへと突入し、次は一転、お母さんへの想いを込めた「I Love Ukulele」と「Sakura no Kaze」でやさしく繊細なプレイを聴かせてくれます。そしてまたまた一転、ガソリン満タンの曲「Five Dollars Unleaded」。今回のツアーはこのように緩急自在のセットリストで、観客の心を揺さぶり続けます。


「Midori」のゲスト・プレイヤー、岸畑さんとその奥さま。
 この日の「Midori」のゲストは三重県熊野市からやってきた岸畑さん。ジェイクの大ファンだという彼は小学校の校長先生で、以前から「ふれあいの旅」訪問を希望しているのだとか。二人の心温まるセッションに関してはエッセイに詳しく書いているので、ぜひ御一読ください。

 ステージの終盤は激しいストラミングで会場を熱気で包みます。大迫力のスパニッシュ・サウンド「Let’s Dance」ではジェイクのウクレレはまるでスパニッシュ・ギターのような音を奏でます。はたまたブルーグラス調の「Orange World」では、ウクレレがバンジョーのように聴こえるではありませんか。ジェイクのウクレレは本当に不思議で、曲によってさまざまなキャラクターの音色を奏でます。目を閉じて聴くと、ウクレレ1本だということを忘れてしまうんです。それはウクレレ自体の反応の敏感さもあるでしょうが、ジェイクの動きが非常に繊細で、曲によって弾き方が微妙に異なるからでしょう。ジェイクのプレイは本当に奥が深い!

 この日のアンコールにはシューベルトの「Ave Maria」が登場しました。クラシックの中で最も好きだというこの曲を、アンプラグドで情感豊かに奏でるジェイク。なんだか救われたような気持ちになり、さらに「Ichigo Ichie」「Hula Girl」「Crazy G」で明日への活力をチャージして会場を後にしたのでした。
 

ライヴ終了後、弾き方をレクチャーするジェイク。

ボランティア物販スタッフの板井さん、長谷川さんと。

  今回のツアーではスタッフルームを覗くと、いつもこんな光景を目にします。ツアークルーたちが暇を見つけてはウクレレを弾いているんです。たまにジェイクから教えてもらいながら、練習に励む方々。実はみなさん、最終日の打ち上げでそれぞれジェイクの曲を披露するために猛練習中なのでした。さすがはジェイクのツアークルーですよね。



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