specialカマカ社の人々インタビュー
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ウクレレ人気の高まりに伴い、新興のウクレレメーカーや個人製作家がどんどん登場するなか、カマカ社はこれからのウクレレ作りに関してどう考えているのだろうか。カマカ社の3代目であり現在の製造責任者であるクリス・カマカに話を聞いた。

Text : Daisuke Yoshimi Photo : Kaz Tanabe



カマカ社3代目の3人。左からクリス(製造責任者)、フレッドJr.(経営責任者)、ケイシー(カスタム/アーティスト・リレーション担当者)。
――最近ウクレレメーカーがどんどん増えていますね。
「ウクレレの人気がさらに広がっていることもあるし、ウクレレメーカーが増えていることはいいことだと思っています。そんな状況のなか、より重要になってくるのが、ウクレレを楽器として大切に扱い続ける職人の技能と気質ではないかと思います。いくつかのメーカーはとてもいい仕事をしている。なかにはウクレレメーカーとしての方向性を見直して、製作の技術向上の努力が必要なところもあると思います」

――カマカとしてはそんな状況をどう捉えていますか?
「競争があるというのはいいことだと思っています。前に進むエネルギーがわき起こるから。自分たちのブランドというものをより強く意識することにもつながります。カマカはこれまで、素材から音のクオリティーにいたるまで、つねに楽器としてハイスタンダードな仕上がりをまもってきたし、これからもそうあり続けます。生産性に関しても今後さらに向上していきたいと思っています」


黒澤楽器50周年を記念して製作した2012年ニューモデルであるカマカ・デラックス。
――最近カマカ愛好者に傾向の変化は見られますか?
「特別なモデルへの関心が高くなっているようです。ウクレレメーカーが増えたことで、一般向け、ビギナー向けのスタンダードのモデルは溢れている状況なのかもしれないですね。ウクレレプレイヤーたちは、もっと多くのことをウクレレという楽器に求めるようになっていて、必然的にテナーサイズのニーズが高まっています。とくにハワイ、そしてアメリカ本土ではそれが顕著になっています。本土では多くのロックバンドがウクレレを使用するようになっていて、彼らはやっぱりテナーを求めます。エディ・ヴェダー(パール・ジャム)とかジギー・マーリーもうちでテナーをオーダーして使用しています」

――今後のカマカとしての計画は?
「今年は上級モデルに力を入れ、ハイエンドモデル、オータサンモデルを復活させたり、そのほかにも限定モデルに取り組む予定です。ジェイクモデルの製作も完了するので、やっと余裕が出てきたところです。また近いうちに新しい工場を持ちたいです。今のこのスペースでは生産台数も限界ですから、もっと広い工場を持てたら理想的ですね。今は生産向上のためにリノベーションの見直しをしながら、その時を待っています」


クリスはハワイアンバンド「ホオケナ」のベーシストであり、ハワイアンデュオ「ヘマパア」としても活動している。現在ホテル「アウラニ・ディズニー・リゾート&スパ コオリナ・ハワイ」で演奏中。(月曜5:30〜9:00/木曜7:00-9:00)
――今年のウクレレピクニック・イン・ハワイはいかがでしたか?
「関口和之さんは情熱を持って活動しています。はじめて会ったときから、すごく好印象を持っています。日本では大スターなのに、とても謙虚で言葉少なく、ウクレレが大好きなどこにでもいる普通の人、という感じがすごくいいですよね。とても尊敬しています。彼に『僕のアイドルだ』ってよく言うんです。なんといっても彼はベース・プレイヤーですから!(笑)。ウクレレピクニックには今後も注目したいです。来年はさらに新しいアーティストたちが参加するということなので、楽しみにしています」

――日本のカマカファンにメッセージをください。
「日本のみなさんアロハ&マハロ! ウクレレを愛して楽しんでくれるあなたたちのためにウクレレを作れることを幸せに思っています。私たちのウクレレが、みなさんを笑顔にして、人生に喜びを与えることができることを願っています」
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