music & clulture カマカと巡るアロハのある場所
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大阪の南西部の工業都市、岸和田にハワイアン・ウクレレが数多く揃うウクレレ専門店があります。岸和田といえばだんじり祭りが有名で、男くさい街のイメージがありますが、そこにあるウクレレ・ショップ……、そのうえ名前はOhana。いったいどんなお店なんでしょう。




「ウクレレ発祥の地、ハワイのウクレレにこだわっています」

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 Ohanaとはハワイ語で「家族」という意味。お客さんと家族のように繋がりたい、そんなコンセプトのウクレレ専門店が大阪・岸和田にあるウクレレ&ガーデン・オハナ。店内は「木陰で休んでいると、心地よいウクレレの音色が聞こえてくる」ようなイメージのゆったりとした空間で、ウクレレがきれいにディスプレイされています。並んでいるウクレレの9割はハワイ産。現在ウクレレは日本を含めさまざまな国で生産されていますが、あくまでウクレレ発祥の地、ハワイにこだわっているとのこと。カマカ、コアロハ、Gストリングをはじめ、バレイメイドやイイヴァといった個人手工ウクレレも数多くラインナップされ、信頼できる高品質なウクレレがセレクトされています。

ウクレレ専門店をオープンするきっかけは?

 高校時代にサーフィンにハマった馬野さん。波乗りしに初めてハワイに行った際、カマカのウクレレを弾いてみたという。それまで鉄弦の弦楽器しか弾いたことがなかった彼は、ナイロン弦の癒しの音に急激に魅せられたのでした。
 その後父親が経営する鉄工所で5年間働くことになりますが、1日20時間労働で、基本的に休日はない日々が続きます。そんな生活のなかで唯一の楽しみがウクレレとギターを弾くこと。それからも時間を見つけてはハワイへ何度か通ううちに、サーフィンやウクレレだけじゃなくハワイの人々の明るさにも惹かれるようになります。ハワイは貧富の差が激しく、貧困層の人々も多いのに、いつもみんな明るく笑っています。毎日の仕事に疲れ、落ち込んでいた自分と比べ、「自分もハワイの人々のように明るく生きたい」と一念発起し、ウクレレ専門店を作ることに決めたそう。当時26歳、楽器店で働いた経験もなかったため、両親を含む親戚からは大反対されたそうですが、馬野さんに迷いはありませんでした。

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天井一面に吊るされた白い花やオリジナルの内装は馬野さんが自分で手掛けたもの。

どんな店作りをしているの?

 2003年、ついに念願のショップをオープン。店内のデザインに端材を使うなど、自分でできることはすべてやったといいます。

「常に居心地のいい店を心がけています。自分がお客さんの立場だったら……といつも考えて。利益よりもウクレレの魅力をきちんと伝えたいので、より多くのメーカーの良いウクレレをバランスよく扱いたいし、オリジナルを尊重したいんです」。

 ウクレレが大好きで毎朝必ず1本1本磨くという馬野さん。おかげで店内のウクレレはいつもピカピカ。店内の湿度は常に50〜60%に保たれています。子供や若い人たちにウクレレが広まり、いつか日本の小学校でウクレレを教えるようになれば最高だと語る馬野さん。そのためにも、まずは大阪の岸和田にウクレレを普及していくことから彼の活動は始まるのです。ショップは街の中心から少し離れている場所にあるからこそ、スローライフ的にのんびり運営している、というわけです。 

「お客さんへサービスが行き届かなくなるのは嫌だから、これ以上店を広げたり増やすつもりはないんです」。いつも笑顔で人懐っこい雰囲気の馬野さんは、お客さんと友達になり一緒に飲みに行くことも多いそう。今年はお客さん同士の交流会を企画したいと楽しそうに話す笑顔が印象的でした。

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ハワイアン柄のテディ・ベアやグリーンなどキュートな小物がディスプレイされ、心を和ましてくれる。

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馬野さんがハワイのウクレレ工房を訪れて撮影したスナップ。製作工程は自分の目で見て確かめる。

スクールはあるの?


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取材中、個人レッスンにやってきた女性のウクレレはカマカ。生徒さんに無理のないペースでレッスン。
 ショップではウクレレ教室も開催されており、初心者、キッズ、無料体験の個人レッスンのほか、ミュージシャンの松井朝敬さん(Kamaka Ukulele Clubウェブサイト内Musicsian’s Talk参照)が教えてくれるグループ・レッスンもあります。個人レッスンは1回1時間2500円で、お客さんの都合に合わせた日時を設定してくれるのが嬉しい。あくまで“自分のスタイル”でウクレレを楽しんでほしいとのこと。店内でウクレレ・ライブもよく開催され、ミュージシャンと近い距離で音楽を楽しむことができます。

カマカ・ウクレレの魅力は?

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馬野さんのカマカ・コレクション。カスタムオーダーしたテナーと、削り出しで作られたホワイトラベルのカマカ。
「カマカはすべての板が厚くしっかりしているので、最初はなかなか鳴りません。弾いているうちにサスティーンが伸びて鳴るようになるんです。表の板を薄くしたりして最初から鳴るように作るメーカーもあるけれど、カマカは伝統に基づいてしっかりと作っていますよね。自分で育てていく楽器、というところがすごくいいんです」
 そんな馬野さんの宝物は2005年にカスタムオーダーしたカマカのテナー・ウクレレ。ローGではなくハイGでどれだけ演奏できるのかを追求するのが楽しみだそう。


おすすめのアロハなCDを教えて!

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(SS-1007)
01 「古き良きアメリカの音楽を再現」
『Hula Girl』
Sweet Hollywaiians


当Kamaka Ukulele Clubウェブサイト内Musician’s Talkにも登場してくれた松井朝敬さん率いる、戦前のスウィング、ジャズ、ハワイアン、ラグタイムなどを手掛けるバンド、Sweet Hollywaiiansのアルバム。スティール・ギター、ウクレレ、バンジョーなどさまざまな弦楽器で演奏される、お洒落であたたかなサウンド。戦前の音楽を再現するためのこだわりがつまった1枚。
   
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(輸入盤)
02 「1枚でたくさんのプレイヤーの演奏が聴ける」
『Legends of the Ukulele』
V.A.


ダニエル・ホー、ライル・リッツ、ハーブ・オータ、ベニー・チャン、ジェイク・シマブクロなど新旧さまざまなウクレレプレイヤーの演奏が聴ける全22曲のオムニバス・アルバム。トラディショナルなハワイアンはもちろん、スパニッシュ、ラグタイム、ジャズなど幅広いジャンルでのウクレレ・プレイを聴くことができ、プレイヤーによる奏法の違いなども楽しめる。
   
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(輸入盤)
03 「プレイヤーの個性の違いが面白い」
『The Art of Solo Ukulele』
Benny Chong, Gordon Mark, Jake Shimabukuro, Byron Yasui


4人のウクレレプレイヤーがソロで聴かせるオムニバス・アルバム。ウクレレ・ジャズからクラッシックまで素晴らしい演奏が堪能できる。ベニー・チャンはジャジーなスウィング、ゴードン・マークはクラシカルなアレンジ、ジェイクは早弾き、バイロン・ヤスイはインプロビゼーションと、各プレイヤーの個性が楽しめ、ハワイのウクレレプレイヤーの層の厚さを実感する1枚。
   
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(FLPD-0001)
04 「ウクレレ&アコギが気持ちいい!」
『fulare_pad』
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ダニエル・ホーのライヴのオープニング・アクトも務めた京都発のウクレレ+アコギのインストゥルメンタル・デュオ、フラリーパッド初のオリジナル・ミニアルバム。資生堂SK- IIのCMに起用された代表曲「サマー・シュプール」の元曲「シュプール」をはじめ、ライヴで人気の5曲を収録。アコースティックで透き通るようなサウンドが聴いていてなんとも気持ちいい。
   
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(輸入盤)
05 「この人の声を超えるものなし!」
『Alone in Iz World』
Israel Kamakawiwo'ole


イズこと故イズラエル・カマカヴィヴォオレは、その甘く優しい歌声で、死後何年も経った今でも聴く者の心を深く揺さぶり続ける、ハワイを代表するミュージシャン。彼の総集編と言えるこのアルバムには誰もが口ずさめる曲「Over the Rainbow」のカバーも収録されており、ウクレレの軽やかな音とイズの声の調和があたたかく包み込んでくれ、いつ聴いても癒される。



いつも笑顔で人情味あふれる馬野さん。商売よりもウクレレの魅力を広めたい、みんなを楽しませたい、という気持ちが伝わってきました。ショップをオープンする以前の人生で、大変なことやつらいことが多かったからこそ、癒しや楽しむことの大切さを知っているのかもしれません。これからもウクレレを通してみんなをハッピーにし続けてください。MAHALO!



shopShop Data

Ohana

大阪府岸和田市宮本町5-6 1F
TEL 072-431-7788
E-mail info@ohana-k.jp
URL http://www.ohana-k.jp/
営業時間 11:00〜19:00
定休日 月曜、第1・3日曜


南海本線岸和田駅から徒歩3分。 岸和田駅前商店街と城見橋筋商店街が交差する場所にある。
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