ウクレレ・レジェンド・イン・コンサート
2010年2月10日(水)
at the Waterfront Aloha Tower Marketplace
第2回ウクレレピクニック・イン・ハワイの開催を記念し、今回限りのスペシャルなコンサートが行われた。それはエディ・カマエ、オータサン、ライル・リッツが出演し、さらにカリフォルニアのビル・タピアの演奏がスクリーンに生中継されるという、ウクレレファンにとっては信じがたいラインナップ。もともとエディ、オータサン、ビルの3大レジェンドによるコンサートの予定だったが、ビルは2ヶ月前の骨折が思うように回復せず、ドクターストップによりカリフォルニアを出ることができなくなったため、この緊急事態に急遽ライル・リッツがオレゴンから駆けつけて出演してくれることになったのだ。
ウクレレ4大レジェンドの共演はハワイでも初めての組み合わせ。二度と見ることができないメモリアルなライヴ。こんなに貴重なライヴなのに、雰囲気はやっぱりのんびり。それこそがハワイスタイルで、観客はレジェンドたちの演奏をリラックスして存分に楽しんでいた。
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会場となったのはアロハ・タワー・マーケットプレイスのウォーターフロント。海からの風と潮の香りが心地よい場所。この日は快晴であたたかく、最高のコンサート日和。 |
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コンサートのMCはダニエル・アカカJr.。ハワイアン・カルチャーを大切にする上院議員の御子息だ。オープニングのオリに加え、自らウクレレを弾き、スペシャルなライヴの実現を祝福した。 |
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まずは関口バンドからスタート。ウクレレと口笛のコラボレーションを現地の人々は楽しそうに聴き入っており、ハワイアンとは一味違う独特のアンサンブルを堪能していた。 |
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ステージ上でカリフォルニアに電話をかけるMC。すると102歳のウクレレ・マスター、ビル・タピアがスクリーンに登場! ジョークまじりに一生懸命メッセージを送ってくれるその元気な姿に会場は一安心。演奏後は観客からハナホウ(アンコール)が起こり、もう一曲。みんなを笑顔にしてしまうビルの存在感はやっぱりスゴイ! |
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ライル・リッツ(Ukulele)、ベニー・チャン(Ukulele)バイロン・ヤスイ(Bass)のトリオ。ライルは初めてジャズの楽器としてウクレレを用いてレコーディングを行った人。熟練のプレイヤーならではの味のあるお洒落なジャズと、まるでコントのようなMC。ユーモア溢れるステージがカッコいいのだ。 |
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ウクレレの神様オータサンことハーブ・オータと、彼の盟友でウェス・モンゴメリーの弟子であるナンドー・スアン(Guitar)。コードとメロディを同時に弾きながら爪を使って指板を引っかいたり、ボディを叩いたりするオータサン奏法でボサノヴァなどを聴かせてくれた。聴く者が安心して音楽に身をゆだねることができるのはオータサンだからこそ。やっぱり彼はレジェンドだと再確認。 |
この後オータサンの師匠であるエディ・カマエとそのバンド、ザ・サンズ・オブ・ハワイが登場。撮影禁止だったので残念ながら写真はないが、80歳を超えているとは思えない歌声の力強さと正確なリズムで、“ハワイアンのカントリー”とでも言うべき音楽を披露。ハワイ文化を象徴する人物としての迫力に満ちていた。
そして最後は約30年ぶりというエディ・カマエとオータサンの師弟共演が実現。エディの代表曲「エ・クウ・モーニング・デュー」、その古きハワイを想わせる曲に観客は郷愁を誘われた。
ひとつのステージでそれぞれ違うスタイルの演奏を披露したレジェンドたち。もうこれほどまでに最高で特別なステージを見ることはないのではないか。そしてこの日、関口さんが言うように、私たちは“伝説の目撃者”となった。
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