多くの楽器を弾きこなし、その腕前と独自のセンスで戦前のスウィングやハワイアンなどのルーツ・ミュージックを奏でるスウィート・ホリワイアンズ。サウンドはもちろんのこと、その魅せるプレイに観客は目も耳も釘付け!
とにかく楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまうライヴをレポートします。
生楽器のアンサンブルを味わい尽くすライヴ
新しく入手したというカマカのパイナップル。コア独特の硬めの音が彼らのサウンドに合うのだ。 |
「Musician's Talk」で音へのハンパないこだわりを披露してくれた松井朝敬率いるオールドタイム・ミュージック弦楽器楽団、スウィート・ホリワイアンズが東京・祐天寺のウクレレショップPoePoeでライヴを行った。多くの弦楽器を見事に弾きこなす彼らだが、この日はスライド・ギター、ウクレレ(松井朝敬)、バンジョー、マンドリン、ウクレレ(高田進正)、ギター、ウクレレ(中山隆志)、コントラバス(堤下功一)という楽器のラインナップで最高に楽しい音楽を聴かせてくれた。
ポエポエでのライヴということで、まずはハワイアン・メドレーからスタート。「Honolulu Stomp」など数曲をカマカウクレレで聴かせてくれた。彼らのリズミカルなアンサンブルには音が硬めのカマカがバッチリはまる!!
スライド・ギターの流れるように揺らぐ音がたまらない。こちらは1920年代製のナショナル。
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彼らのライヴでぜひ注目してほしいのが、音や楽器の距離感。マイク1本と生楽器だけの時代は楽器の立ち位置、音の強弱の付け方をどう工夫してサウンドを作り上げていたのかがよく理解できる。音量の大きいコントラバスは後ろに、音量の小さいウクレレは前にと音量を合わせるために計算した立ち位置が生まれる。そしてときにマンドリン、ときにバンジョーと、ソロを弾く楽器が入れ替わるごとに他の楽器は弾き方によって音量を抑える。そこにバンドサウンドのダイナミクスが生まれるのだ。ホリワイアンズはその距離感をきちんと計算していて、“アナログな5.1ch”という空間が面白い。音の強弱やメリハリの付け方こそ彼らがこだわってやってきたこと。ぜひその面白さを味わってほしい。
そしてもうひとつの大きな見どころは楽器の弾き方、指使い、ポーズなどの演出。いかに鮮やかに華麗に弾くかということを意識した彼らのプレイが観られるのもライヴの醍醐味。ウクレレをクルクル回したり、ウクレレでスライド・ギターを弾いてみたりするプレイには目が釘付けになる。
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ウクレレでスライド・ギターを弾いたり。 |
ウクレレを吹き飛ばしてクルクル
回したり。 |
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息のピッタリ合ったプレイ。ザッツ・エンターテインメント!! |
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ベースだってソロでは前に出てきて、目と耳両方で楽しませてくれるのだ! |
中山さんのウクレレ速弾きは超高速。 |
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ウクレレは両方ともカマカ。「最初は特にカマカに興味なかったけど(笑)、やっぱりポテンシャル高いからオススメです!」と松井さん。 |
この日は彼らのライヴではお馴染みの曲「Singin' the Bathtub」や「Singin' the Blues」、ニューアルバムから「My Girl from the South Sea Isles」、トリニダード・トバゴの音楽の音楽も飛び出し、最後は名曲「Hula Girl」! この曲を聴かずには帰れない。最高に盛り上がり、まるでアメリカの遠い昔に時間旅行をしたような一夜だった。
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PoePoeオーナーの関口和之さんも楽しそうに聴き入っていたこの日のライヴ。
最後にスタッフのみなさんと記念撮影。 |
Information
問い合せ
SWEET STRINGS
TEL 06-4800-0047
e-mail sweetstrings@nifty.com
Sweet Stringsオフィシャル・ウェブサイト
http://www.sweet-strings.com/
Sweet Hollywaiiansウェブサイト
http://www.myspace.com/sweethollywaiians
Text:MASUMI NAKAJIMA(RAVEN WORDS'WORKS)
Photo:YASUHIKO ROPPONGI(OFFICE SIXX)
Design:TARO WATANABE(77GRAPHICS) |
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