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music & clulture ウクレレイベント情報とイベントレポート
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bill tapia japan live tour

1908年にハワイで生まれ、ミュージシャンとしてその後メインランドに渡ったジャズ・ギタリスト、ビル・タピア。その歳、なんと101歳! 現役最高齢のミュージシャンだ。今も毎日ウクレレを弾き続け、多くの人々にウクレレを教えているという彼が初来日したジャパン・ツアーをレポートします。


生きる力をくれたライヴ

「もう10歳若ければ、日本に移住したかったよ!」
このMCが印象的だった。
10歳若くても 91歳。 彼にとっての91歳は通常の人の50歳くらいかもしれない。

 計算しつくしたかのような、絶妙なタイミングで曲を演奏し始めるビル。バッキングでのストラミングの速さと正確さ。手首の年齢は実年齢の半分以下だ。絶えず音楽をし続けてきた彼の体は、ビートというエネルギーで形成されているかのよう。彼にとって、音楽をすること自体が栄養となっているのだろう。その身体と頭脳は、音のエネルギーを吸収し最高の音楽を奏でる。

 譜面をまったく見ない。曲順もチェックしない。すべて頭の中に叩き込んでいる。それが出来なくなったとき、いくら演奏ができてもビルはウクレレを弾くのを自らやめてしまうかもしれない。彼は単にずっと音楽をやっていたいだけではないのだと思う。最高の音楽を奏でる永遠のプロミュージシャン、エンターテイナーでいたいのだと思う。

 101歳という年齢で日本に渡り、毎回違うミュージシャンと演奏する。メニューも変わる。

 目黒ブルースアレイで行われたこの日のライヴは、クラシックギター辻邦博とウッドベース新岡誠とのトリオという構成。このセッションは美しかった。クラシックギターの甘いサウンドが、ハイトーンの切れのいいウクレレサウンドをさらに際立たせていた。

 曲の半ばでバンドのメンバーに4小節ずつソロを回そうと指示をするビル。101歳のバンドマスターにステージ上で目配せされる気分はどんなだろう……。ミュージシャンは客席への視線とメンバーへの視線がちょっと違うときがある。にこやかで優しい眼差しも、メンバーへの目配せはとても真剣で鋭くなる。ビルがメンバーに送る目線も真剣で鋭く、緊張感が漂っていた。

最高にカッコイイ! しびれる!!

bill tapia

 ウクレレを頭の後ろで弾いたり、足を上げて腿の裏で弾いたり、ジミヘンばりに歯で弾くパフォーマンスも見せてくれた。流れるようなステージ。彼がどれだけの数のライヴを重ねてきたかがわかる。

 この日のライヴで得たことは、音楽の素晴らしさということを遥かに超え、“生きる”ということだった。今回のジャパン・ツアーの招聘者である関口和之が「ビルの前で疲れたなんて言えない」と言うように、腕が上がらないとか、首が痛い、あちこちが痺れるなどの年を重ねるにつれ増えてくる体の不調を訴える台詞は、封印しなければいけないと思った。101歳になるビルは頭の後ろに手が回るし、膝も胸に着くほどに上がる。大好きな音楽をやり続け、その音楽を求めるファンのためには、自己管理の責任がある。ビルを見ていると、至らない自分を反省すると同時に、もう一度やり直せるという力がみなぎってくる。ビルはそんな力をこの日すべての人に音楽を通じて与えてくれた。


 どんなライヴでも会場を後にするとき、祭りの後の寂しさが募ったりするのだが、この日はビルのライヴがカンフル剤となって、明日の朝が待ちどうしいほどに生きる力がみなぎり、わくわくした帰り道だった。




レセプション

ウクレレピクニック2009

インタビュー



最高のUkulele Man
〜ビル・タピア・ジャパン・ツアーを振り返って


 ウクレレがゆっくりと時間と時間の間を縫うようにやさしく響く。ビルの喉も楽器でいうならばヴィンテージ。渋くしわがれたその声は、ささやくように優しく、まるで小さい孫の頭をなでるかのように歌うビル。ゆるやかな時間の中に言葉を一つひとつそっと浮かべながら。

 長い時間の流れは、いろんなものの角を取り去っていく。ビルの心は、長い時間の波の中で磨かれ、滑らかなで優しく丸いのではないか。

 彼と時間を共有することができたのはまるで奇跡のようだ。100年という時間をつれて会いにきてくれたビル。僕ら一人ひとりと握手をしハグをし、キスをするビル。面倒くさいという気持ちは彼の身体からなくなってしまったかのように、リクエストに応じてくれる。

 よく1分1秒を大切に生きますと人は言うが、101年間という膨大な時間を刻んできたビルは1分1秒の本当の貴重さを知っているのではないか。彼は1分1秒を生き続け、今日まで生きてきた。自らのベストな体調を管理し続けてきた忍耐力が今の彼を作ったのだろう。だから今もどんなに疲れていても、彼は演奏することへの情熱を持ち続け、音楽を聴いてくれる人へのサービスを怠ることがない。そんな彼が「日本は素晴らしい」と言う。日本の何が一番素晴らしいのか問うと、“People”と笑顔で答えてくれた。

 ハワイでは“Duke of Uke”と呼ばれているビル。それに対し彼は“No, I'm not Duke of Uke. I'm Ukulele Man”と言って作ったのが、ライヴで常に演奏していた曲「Ukulele Man」だ。

 来日してからというもの、大阪、名古屋、東京、横浜のライヴに加え野外イベントと、数多くのライヴと移動で多忙な日々を過ごしたビル。少しでも多くの人にこの感動的な時間を伝えていきたいと思う。そして彼のように、笑顔を絶やさず、面倒くさがらず、疲れたと簡単に言わず、長くハッピーな時間を生きていきたい。

「毎日ライヴがしたい」というビルの言葉を思い出すと、生きる力が湧いてくる。




Information

問い合わせ
BILL TAPIA JAPAN LIVE事務局  
TEL 03-3716-1339(ポエポエ東京・牧野) 
E-mail:ukulelejane@hotmail.co.jp(斎藤) 
URL:http:/www.flying-colors.jp/bill/



Text:MASUMI NAKAJIMA(RAVEN WORDS'WORKS)
Photo:YASUHIKO ROPPONGI(OFFICE SIXX)
Design:TARO WATANABE(77GRAPHICS)
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