グッドミュージックの伝道師バンバンバザール福島康之と、独自のセンスでルーツ・ミュージックを奏でるストリングスバンド、スウィート・ホリワイアンズが奇跡のコラボレート! アルバム『SAME OLD SONG BOOK』のリリースを前に、4月8日に名古屋Cafe Dufiで行われた発売記念先行ライヴをレポートします。
名古屋市中区新栄にあるカフェ・ドゥフィ。古い倉庫を改装した、木の温もりが感じられるいい雰囲気の店内に、この日、福島康之とスウィート・ホリワイアンズという最高のコラボレーションによるアンサンブルが響いた。
ファースト・セットはホリワイアンズのみでスタート。「Rose Room」「Honolulu Stomp」「Many Happy Returns of the Day」などオールドジャズ、そして彼らの代表曲「Hula Girl」と、生楽器のアンサンブルがたまらなくいい雰囲気を作り出す。そこに満を持して福島さんが登場し、ニューアルバムから「How Am I To Know」。たくさんのアーティストにカヴァーされてきた名曲だが、彼らならではの味がスバラシイ。日本語の歌詞も絶妙だ。そして福島さんが大好きだというThe Carsの80年代の大ヒット曲「You Might Think」。“曲が生まれ変わる”とはこのことで、アコースティックサウンドで聴く同曲に観客は新たな魅力を発見したはずだ。
なんと20年ほど前から友達だという福島さんとホリワイアンズ松井さん。お互いの音楽や好みを知り尽くしているだけあって息はピッタリ。アナログなバンドサウンドに乗る独特のハスキーヴォイスが観客をどんどん魅了していった。
圧巻のトリプル・ウクレレ。カマカ、マーティン、ハープウクレレ!
セカンド・セットではニューアルバムの曲を中心にたっぷりと聴かせてくれた。ウクレレ、ギター、スティールギター、マンドリン、ウッドベース、すべての楽器の音がしっかりと鳴り、そして一体となったアンサンブル。そこに福島さんのヴォーカルとホリワイアンズのコーラスが絡み合う。カフェの雰囲気と音楽が見事にマッチして、極上の空間を作り上げている。
途中、なぜか(嬉しいことに)ウクレレを紹介するMCがあり、高田さんが弾いていたハープウクレレは「ハイ! と手をあげているようなビジュアル通り、やる気の感じられる音」とのこと。そして“ウクレレがどこまでやれるか”を見せましょうということで、松井、高田、中山の3人がウクレレを手に「In the Mood」、そして「12th Street Rag」をプレイ。どんどんヒートアップしていくウクレレ、それを支える堤下のベースというセッションは圧巻。
最後は「In the Shade of the Old Apple Tree」(林檎の木の下で)、そしてアンコールに「Sometimes I'm Happy」「I Feel Like Goin Home」……と、曲を箇条書きにするようで申しわけないが、演奏のみならず選曲も素晴らしいのだ。これらが収められたニューアルバム『SAME OLD SONG BOOK』は福島さんが好きな曲ばかりを選び、ホリワイアンズがアレンジしたとのことで、オールドジャズファンやアコースティック好きはとにかく必聴。そして彼らの演奏はやっぱり生で聴いてほしい! アルバムリリース後のツアーをお楽しみに!!
ダブルアンコールでは福島さんと松井さん二人による弾き語り。お客さんもみんないい笑顔でした。
Information
『SAME OLD SONG BOOK』
Mr. Fukushima & his Sweet Hollywaiians
(HOME WORK RECORD HW025)