musician's talk ウクレレを愛するミュージシャンへのインタビュー
gray-dot
Vol.2 音が小さい、それこそが魅力。

sekiguchi

ウクレレがいるだけで曲が変わる

――最初は弾き語りから始まり、今はさまざまな使い方をしているウクレレということですが、ウクレレの音はどんなところが魅力ですか?
「音が小さいというのがライヴでは困るところでもあるんですけど、それこそが魅力だと思います。音が小さいことによって可愛らしさとか切なさにつながる。音色の良さにつながると思います。ウクレレがいるだけで曲の雰囲気ややわらかさがグンと変わるので、それがすごいなぁと思うんです」

――同じウクレレでもさまざまなタイプがありますが、好みのウクレレの音は?
「一見甘いけど芯のある音が好きなので、コアの木からできているウクレレが好きなんです」

――カマカのウクレレもお持ちですよね?
「はい、よく行くクロサワ楽器店にカマカのパイナップルのロングネックがあったんです。ちょうどその頃、ソロを弾く時により高い音もしっかり弾けたらいいと思っていたので、『これだ!』と。弾いてみたらすごく好みの音だったんです。芯のある音で、鳴りがいいし、色味も好きなんですよ。カマカのウクレレはもう1本京都にもあるんですけど、それはデビューしたばかりの頃に関口和之さんからいただいたもの。古いウクレレなんですけど、柔らかくて気持ちのいい音です。その音に比べると、このロングネックはそこまで丸過ぎず、でもカマカ独特のやわらかさがありつつ、ちゃんと芯がある音ですね」

――このロングネックを今後使うとしたらどんな使い方ですか?
「印象的なイントロとかに使いたいですね」

2009年製カマカ・パイナップル・ロングネック。14フレット・ジョイントなのでハイポジションも弾きやすい。オール・コア・ボディ、マホガニー・ネック、指板とブリッジはローズウッドで、つじさん曰く「カマカ独特のやわらかさがありつつ、芯のしっかりした音」。

――つじさんプロデュースの「Ayano Ukulele」も発売になりましたが、このウクレレを作ったきっかけは?
「5年くらい前から作りたいと思っていて、クロサワ楽器店の梅田陽さん(ウクレレ/リペア担当者)に協力していただいて去年ようやく完成したんです。こだわったのは、音は自分の好みの、甘すぎず硬すぎず、コアの木で作りたいということ。あと絶対にクローバーのモチーフを入れたいとリクエストしました。1本1本色は違いますけど、なるべく明るい色にすることもお願いしたんです」

――普段使っているピックアップもオリジナルですが、どんなピックアップですか?
「とにかくウクレレの音をマイクでそのまま録ったような素直な音。ただし他の楽器に負けず、かつ音量を上げてもハウらないものということで、あれこれ試して作ってもらいました。弾き語り用とバンド用があって、それぞれの音量に合わせたものにしてもらっています」

つじあやのプロデュースによるAyano Ukulele。クロサワ楽器店の全面的なサポートにより、彼女がメインで使用しているケリイウクレレを再現しつつ、オール・コア・ボディに四つ葉のクローバーのインレイがあしらわれ、オリジナリティあふれる仕上り。受注生産でメールにて注文を受け付けている。E-mail : ananoukulele@tsujiayano.com


メロディを作り、ウクレレを弾いて、歌い続けたい

――ウクレレ教室を今年は全国12か所で開催されていますが、どんな内容なんですか?
「1曲丸ごと弾けるようになることを目指しています。2回目なので前回よりステップアップした曲ということで、スピッツの『猫になりたい』を選んだんですけど、けっこう初心者の方も多いんです。イントロのソロもあるので、2時間半ぶっ通しで、かなりスパルタでやっています(笑)。みんなすごくしんどそうなんですけど、最後にちゃんと1曲弾けた方がいいだろうと思うので、頑張ってやってもらっています。でも楽器を触るのが初めての人でも音を出せる喜びが味わえるのはウクレレならではですよね。二つ三つのコードは誰でも押さえられるし、弾きながら歌うということもしやすいし、素晴らしい楽器だなぁとあらためて感じています」

――音楽を身近にしてくれる楽器ですよね。以前韓国でも開催したんですよね?
「そうそう、日本ほどウクレレは普及してないそうなんですけど、私のウクレレ教室に来てくれた方はみなさんすごく上手な方が多くて、私が選んだ韓国の童謡が『簡単すぎる』って言われちゃいました(笑)」

――2009年のウクレレピクニック・イン・ハワイに出演されていましたけど、ハワイには何回も行っているんですか?
「今まで4回行きましたけど、2009年のピクニックのときからすごくハワイにハマって、去年も長く行っていたんです。帰ってきて9月にリリースしたアルバム『虹色の花咲きほこるとき』はハワイで感じたものを詰め込んだアルバムです」


――具体的にはハワイでどんなことを感じたり学んだりしたんですか?
「デビュー10周年を迎えるにあたって、まず自分を空っぽにしようと思って2ヶ月間ハワイに行ったんです。あえてウクレレを持たずに行って、音楽から離れていたんです。友達と遊んだり英語を勉強したりフラを学んでみたり、ハワイの人からたくさんの温かさをもらいました。そしてやっぱり自分はメロディを作ってウクレレを弾いて歌いたい、と強く思ったんです。その素直な気持ちを歌にして作ったアルバムです。ハワイには“人生を見つめ直す”くらいの気持ちで行ったので、最初は2ヵ月後に自分が音楽をやっているのかどうかもわからなかったんです。ウクレレを弾くかどうもわからないし、もっとハワイにいたいと思うかもしれない。2ヵ月後、日本に帰ってきた時に拠点を東京から京都に移したのは、大好きな場所で大好きな歌を歌うことが自分のやりたいことだと思ったから。自分がつじあやのとして、今どうあるべきかということをハワイから教えてもらったと思っています」


――ハワイの音楽はいかがでしたか?
「ハワイアン・レゲエがすごく好きになりましたね。ハワイのラジオって、番組によって流す音楽のジャンル分けがはっきりしているんですよね。ずっとハワイアン・レゲエの番組を聴いていました。ジャマイカのレゲエはほとんど聴かないんですけど、ハワイアン・レゲエはたまにウクレレの音が聞こえてきたりとか、ちょっと甘い声とか、のんびりしている雰囲気とかがすごくよくてハマりましたね」


――ではミュージシャンとしてのこれからの夢は?
「自分が曲を作ってウクレレを弾いて歌うことが基本にありつつ、いろんな風景に自分の音楽を合わせてみたいという気持ちが強いです。具体的には映画音楽にすごく興味があるんです。自分の歌だったり、ウクレレだけだったり、他の楽器も入れつつ、いろんな風景やいろんな人の感情に音楽がどんなふうに寄り添えるか、いつかトライしたいです」






















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